●大数の法則
確率論・統計学で確立されている大数の法則を社会における様々なリスクに適用すると、個々の局面で捉えると予測困難で、かつ致命的な損害になりうるようなリスクであっても、同等の危険を十分な数集めることによって確率的に予測可能になり、また経済的損失も変動の少ないものになりうると考えられる。
現代の保険は基本的に上の考えに基づいて運営されているものであるが、事業として公平かつ安定に営むために以下の原則の遵守が要請されている。
●給付・反対給付均等の原則
契約者と保険会社の間に締結される保険契約において、保険金と保険料の間では以下の関係が満たされることが要請される。
P = ωZ
ここでPは保険料、ωは定量化された保険事故のリスク、Zは保険金を表す。
この原則は、保険事故発生のリスクを媒介として保険金(給付)と保険料(反対給付)が等しくなるように要請されていることを示す。
●収支相等の原則
保険会社が同一のリスクを持つ保険契約者の集団から集めた保険料の総額と、保険会社がその集団の中で支払う保険金の総額とは等しくなくてはならない。
これを収支相等の原則といい、保険が継続的に安定して運営されるために要請される。
収支相当の原則は、給付・反対給付均等の原則を時間的・空間的に拡張したものであり、後者は前者の十分条件であるが必要条件ではない。
収支相等の原則は、同一のリスクを持つ保険契約者が集団として存在していることを前提としていることから理解できるように、同一のリスクを持つ者が多数集まることによって不確実なリスクを合理的に処理する仕組みであることを示している。